金融取引の世界では、正確かつタイムリーな情報へのアクセスが極めて重要です。収益機会をつかむ鍵はリアルタイムデータにあります。データの更新が速ければ速いほど、多くのチャンスを見つけることができます。だからこそ、ティックデータは高頻度取引(HFT)において非常に重要な役割を果たしています。通常の市場データと比べて、ティックデータは市場の動きをより詳細に捉え、トレーダーに深く包括的な視点を提供します。
ティックデータとは?
通常見かけるローソク足チャートなどの価格チャートは、一定の時間間隔で構成されています。一方、ティックデータは価格が変動するたびにその都度記録されます。たとえば、ある銘柄の価格が1分間に30回変動した場合、1分足のローソク足チャートに表示されるのは以下の4つのデータだけです:
- 始値
- 終値
- 高値
- 安値
この4つだけでローソク足が描画されます。
残りの26回の価格変動は無視されます。
ティックデータはすべての価格変動を記録します。同じ1分間に30回の変動があれば、そのすべてが保存され、高頻度データとして活用されます。
高頻度データを使うことで、市場行動やミクロ構造をより細かく観察できます。非常に短い時間スケールでの戦略検証が可能になります。逆に、日足などの低頻度データでは、短期的な価格の変動を見逃してしまうことが多くなります。
一見ノイズや混乱に見える価格の動きには、実は多くの有用な情報が含まれています。通常の市場データは毎分更新されることが多いですが、ティックデータはすべての取引をリアルタイムで記録します。これらの更新は取引の発生時に起こり、一定間隔ではありません。この不規則なタイミングから、ボラティリティや流動性などの市場状態を推定することができます。
例えば、5年分のティックデータがあれば、非常に信頼性の高いバックテストに活用できます。
ティックデータのユースケース
ティックデータは、クオンツ取引のさまざまな場面で重要な役割を果たしています。最も一般的な用途の一つがバックテストです。
バックテストは、過去のデータに取引戦略を適用してその有効性を検証するプロセスで、クオンツファイナンスにおいて不可欠な作業です。過去データで良好な結果が得られれば、現在または将来の市場でも期待できます。ティックデータは、より現実に近い形で過去の市場を再現するのに役立ちます。
また、ティックデータはリスク管理にも活用されます。データの粒度が高いため、流動性、スリッページ、約定品質などを正確に評価できます。市場ミクロ構造を研究するリサーチャーにとっても、ティックレベルの情報は不可欠です。さらに、法務やコンプライアンスの文脈でも、金融機関は規制や報告要件を満たすためにティックデータへのアクセスを必要とします。
ティックデータの品質について
すべてのティックデータが高品質とは限りません。品質のばらつきがあり、低品質なデータはバックテストや実運用の信頼性を大きく損なう可能性があります。以下は、品質の低いティックデータによく見られる例です:
- データ欠損:ネットワーク障害などで一部のティックが欠落
- 不正な取引:価格がゼロやマイナス(例:USDEURが0など)
- 重複ティック:同じタイムスタンプで同一価格の繰り返し
- タイムスタンプの偽装:実際には価格変動がないのに、同じ時間でティック数だけを水増しする行為(見かけ上の更新頻度を上げるため)
このようなデータの劣化は、人為的な操作だけでなく、膨大なデータ量によっても発生します。たとえば、FXでは1つの通貨ペアが1日に何千回も取引され、複数の銘柄を合わせれば週に数百万件の記録になります。信号品質の劣化、パケットロス、通信遅延などもデータ品質に影響します。
このような大量のデータをクリーニングし検証するのは非常に大変です。Excelでは処理しきれないため、多くのプロバイダーは Google の OpenRefine や、Python の Pandas ライブラリを使って独自のクレンジング処理を行っています。
市場によるティックデータの違い
すべての市場で同じタイプのティックデータが生成されるわけではありません。たとえばFX市場は分散型で、全体像を把握しづらい特徴があります。対照的に、株式や商品などの集中型市場では、すべての取引が取引所を通じて行われるため、正確なティックデータが取得可能です。市場構造の違いが、データの量と質に直接影響します。
AllTickはどのようにティックデータの品質を保証しているか?
AllTickはプロフェッショナルなデータプロバイダーとして、正確性、信頼性、一貫性を最重要視しています。ティックデータが分析や取引判断においてどれほど重要かを理解しており、常に顧客中心の姿勢で取り組んでいます。
一部の業者は同じタイムスタンプを何度も送信したり、多数ある価格のうち一つだけを抜き出して時刻を再割り当てしたりしますが、これらはすべてデータの質を損なう行為です。
AllTickでは次のように対応しています:
- 単一ではなく、複数のソースからティックデータを収集
- すべての価格更新を正確にキャプチャ
- SSL暗号化通信を通じて、高頻度データをリアルタイムで配信
要するに、AllTickが提供するのは検証済みで正確、そして信頼できるティックデータです。
AllTickの高頻度データAPIへのアクセス方法
AllTickは、外国為替、香港株CFD、米国株CFD、商品、暗号資産向けのマーケットデータAPIを提供しています。これらのAPIは、取引所、開発者、クオンツチーム、フィンテック企業、機関投資家向けに設計されており、主要なプログラミング言語すべてに対応し、詳細なドキュメントも付属しています。統合テスト用の無料トライアルも用意しています。
ご興味のある方は、Telegramを通じてお気軽にサポートチームまでお問い合わせください。
コードサンプル
AllTickのティックデータは、簡単に使える形式でラップされており、以下のような使い方が可能です:
株式ローソク足データの取得
import time import requests import json # Extra headers test_headers = { 'Content-Type':'application/json' } ''' github:https://github.com/alltick/realtime-forex-crypto-stock-tick-finance-websocket-api {"trace":"python_http_test1","data":{"code":"AAPL.US","kline_type":1,"kline_timestamp_end":0,"query_kline_num":2,"adjust_type":0}} ''' test_url1 = 'https://quote.alltick.io/quote-stock-b-api/kline?token=e945d7d9-9e6e-4721-922a-7251a9d311d0-1678159756806&query=%7B%22trace%22%3A%22python_http_test1%22%2C%22data%22%3A%7B%22code%22%3A%22AAPL.US%22%2C%22kline_type%22%3A1%2C%22kline_timestamp_end%22%3A0%2C%22query_kline_num%22%3A2%2C%22adjust_type%22%3A0%7D%7D' resp1 = requests.get(url=test_url1, headers=test_headers) # Decoded text returned by the request text1 = resp1.text print(text1)
株式の取引価格をクエリ
import time import requests import json # Extra headers test_headers = { 'Content-Type':'application/json' } ''' github:https://github.com/alltick/realtime-forex-crypto-stock-tick-finance-websocket-api {"trace":"python_http_test2","data":{"symbol_list":[{"code": "700.HK"},{"code": "UNH.US"},{"code": "600416.SH"}]}} ''' test_url1 = 'https://quote.alltick.io/quote-stock-b-api/trade-tick?token=e945d7d9-9e6e-4721-922a-7251a9d311d0-1678159756806&query=%7B%22trace%22%3A%22python_http_test2%22%2C%22data%22%3A%7B%22symbol_list%22%3A%5B%7B%22code%22%3A%20%22700.HK%22%7D%2C%7B%22code%22%3A%20%22UNH.US%22%7D%2C%7B%22code%22%3A%20%22600416.SH%22%7D%5D%7D%7D' resp1 = requests.get(url=test_url1, headers=test_headers) # Decoded text returned by the request text1 = resp1.text print(text1)
WebSocketを通じたリアルタイムのティックデータ受信
import json import websocket # pip install websocket-client ''' github:https://github.com/alltick/realtime-forex-crypto-stock-tick-finance-websocket-api ''' class Feed(object): def __init__(self): self.url = 'wss://quote.alltick.io/quote-stock-b-ws-api?token=e945d7d9-9e6e-4721-922a-7251a9d311d0-1678159756806' # websocket url self.ws = None def on_open(self, ws): """ Callback object which is called at opening websocket. 1 argument: @ ws: the WebSocketApp object """ print('A new WebSocketApp is opened!') sub_param = { "cmd_id": 22002, "seq_id": 123, "trace":"3baaa938-f92c-4a74-a228-fd49d5e2f8bc-1678419657806", "data":{ "symbol_list":[ { "code": "700.HK", "depth_level": 5, }, { "code": "UNH.US", "depth_level": 5, }, { "code": "600416.SH", "depth_level": 5, } ] } } sub_str = json.dumps(sub_param) ws.send(sub_str) print("depth quote are subscribed!") def on_data(self, ws, string, type, continue_flag): """ 4 argument. The 1st argument is this class object. The 2nd argument is utf-8 string which we get from the server. The 3rd argument is data type. ABNF.OPCODE_TEXT or ABNF.OPCODE_BINARY will be came. The 4th argument is continue flag. If 0, the data continue """ def on_message(self, ws, message): """ Callback object which is called when received data. 2 arguments: @ ws: the WebSocketApp object @ message: utf-8 data received from the server """ result = eval(message) print(result) def on_error(self, ws, error): """ Callback object which is called when got an error. 2 arguments: @ ws: the WebSocketApp object @ error: exception object """ print(error) def on_close(self, ws, close_status_code, close_msg): """ Callback object which is called when the connection is closed. 2 arguments: @ ws: the WebSocketApp object @ close_status_code @ close_msg """ print('The connection is closed!') def start(self): self.ws = websocket.WebSocketApp( self.url, on_open=self.on_open, on_message=self.on_message, on_data=self.on_data, on_error=self.on_error, on_close=self.on_close, ) self.ws.run_forever() if __name__ == "__main__": feed = Feed() feed.start()
最新の板情報(オーダーブック)へのアクセス
import time import requests import json # Extra headers test_headers = { 'Content-Type':'application/json' } ''' github:https://github.com/alltick/realtime-forex-crypto-stock-tick-finance-websocket-api {"trace":"python_http_test2","data":{"symbol_list":[{"code": "700.HK"},{"code": "UNH.US"},{"code": "600416.SH"}]}} ''' test_url1 = 'https://quote.alltick.io/quote-stock-b-api/depth-tick?token=e945d7d9-9e6e-4721-922a-7251a9d311d0-1678159756806&query=%7B%22trace%22%3A%22python_http_test2%22%2C%22data%22%3A%7B%22symbol_list%22%3A%5B%7B%22code%22%3A%20%22700.HK%22%7D%2C%7B%22code%22%3A%20%22UNH.US%22%7D%2C%7B%22code%22%3A%20%22600416.SH%22%7D%5D%7D%7D' resp1 = requests.get(url=test_url1, headers=test_headers) # Decoded text returned by the request text1 = resp1.text print(text1)